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【不思議すぎジャナイ？】ゲーム（GAME by Luke Jermay）〜説明できない夜のポーカー！？〜

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ダイ・バーノンの有名なアイデアが、さらに究極的に進化！

「説明できないカードトリック」の系譜に連なる大傑作誕生！

マジシャンは、カードゲーム（ポーカー）をしていたある夜の出来事を語り出します。
その日その時、既に４枚まで手札が配られ、最後の１枚を待っている状況だった、と説明します。

観客に存分に一組のデックを混ぜてもらった後、１枚のカードが選ばれます。

マジシャンは、テーブル上にずっと置かれていた「その日の手札」を取り上げ、テーブル上に並べてみせます。
その並びから、ロイヤルフラッシュにあと１枚足りないことが分かります。

そして、選ばれたカードをゆっくりとめくって示します。
すると、まさにその１枚こそが…
欠けていたカード、すなわち唯一ただ１枚、ロイヤルフラッシュを完成させられるカードなのです！

ダイ・バーノンは、それまでカードマジックには積極的に取り入れられてこなかった「柔軟さ」を導入し、
当時のカードマジックの方法論にパラダイムシフトを起こしました。

その最たるものが、彼の「説明できないトリック」（The Trick That Cannot Be Explained）です。
まさに、常形なしは水の如し、とはこのこと。

その柔軟さを融通無碍に発揮させればある種最強でありますが、ジャジー（即興演奏的）に行えるようになるまでが難しいところ。
それが、このトリックが有名であるにもかかわらず、自信を持ってレパートリーにしているマジシャンが少ない理由でしょう。

今回、ルーク・ジャメイがこのクラシックの名作を、飛躍的に進化させてみせました。

では具体的に、いったいどこがポイントなのか。

１つ目は、演出スタイルです。
ある夜のカードゲームでの出来事を再現するというストーリーによって大きな枠組みを作り上げ、
それが、動き回る範囲を良い意味で制限しているのです。

原案は目標がひとつでありながら、そこに辿り着くルートはそれぞれ個別の方法論によっているという印象が強いです。
現に、バーノンは「カードマジックに詳しければ詳しいほど、良い現象に仕立て上げることができる」と原案を語っているわけですが、
これはすなわち「引き出しの数」の多さを要求しているに他なりません。
その点、この「ゲーム」には大きな流れが一本あり、途中で支流が出来上がるも、それらはすぐに合流し、
やはり最終的には一本の流れに収束した状態でクライマックスを迎えるといった感じです。

つまり、「機転を利かせる幅が少ない」のです。
ここが先ほど触れた、枠組みによる制限がうまく作用している部分です。
これは、普段この手のトリックをやり慣れていない方にとっては嬉しいところ。
やりこなすための「取っ掛かり」として適しています。
さらに、構造が単純と言うことは、忘れにくいということ。
リーサルウェポン（秘密兵器）として常備しておき、いざ演じようとする時もすぐ思い出せるはず。

*****

ただ、普段持ち歩くにはフットワークの軽さが重要になってくるところなわけですが、
このマジックに必要なのは、パケットひとつのみ。
これが、２つ目のセールスポイント。
デックはその場にあるもので構わないのです。
しかも、最初に観客が十分に納得するまで混ぜてもらうところから始めることからお分かりのように
デックに事前のセットアップなど一切必要ありません。

もちろん、原案はパケットすら必要とせず、一組のデックさえあればできるという点では究極です。
しかし、このパケットが３つ目のポイントとして大きな役割を果たすのです。
もっと言うと、これこそ、このプロットに関するルーク・ジャメイの最大の貢献と言っても過言ではありません。

*****

「ロイヤルフラッシュの完成」という予言の示し方は、非常にドラマチックです。
４枚を見た瞬間、１枚のカードが明らかに欠けていることが伝わり、それがサスペンスを生み出す。
「まさか…」という期待とも拒絶とも取れる、ない交ぜの感情が観客を包む中、観客が選んだカードを最後のピースとしてゆっくりとはめ込む。
ぞくぞくとする瞬間です。

欠損の補完、すなわち、クライマックスにふさわしいカードは１枚しかない、ということ。
これは、極めて強い印象を与える表現です。
唯一無二…曖昧性の一切ない、逃げ道なしの予言なのです。

とは言っても、実は、ここまでは副産物的効果なのです。
パケットを用意することの真価は、このマジックの成功確率を飛躍的に向上させるところにあるのです（！？）。
タネを知れば、思わず「なるほど！」と唸ってしまうはず。
「カードゲーム」における「ロイヤルフラッシュ」。
この違和感なく溶け込んだ２つのキーワードで、あなたも奇跡を起こせること間違いなしです。

手順の性質上、どうしても映像の視覚的な情報だけでは重要なことを漏らさず得ることは不可能です。
そこで、monthly Magic Lessonショッパーズでは、聞き取り翻訳した上で重要なポイントをまとめた日本語補足冊子をお付けいたします。
ｍＭＬだけの特別サービスです。ぜひご活用ください。

実はここまでの文章で触れなかったのですが、さらに負担を減らす工夫をしゃべっている部分があります。
コロンブスの卵的な発想ですが、この手のプロット全般に転用できる非常に有用な情報です。
もちろん、補足冊子の方には書き起こしてあります。

そしてさらに、今回、どうせならすぐに演じていただけるようにしようということで、
必要なパケットもサービスでお付けいたします！
その場で使うことになるデックとは裏の色が異なっていた方が良いことを加味いたしまして
付属するパケットはバイシクル赤裏・青裏以外のパケットとなります。

非常に強力な手順であるため、トリネタにぴったりです（というか、これを演じてしまうと、もう他のマジックを続けることはできないでしょう）。
これを単体で演じるもよし、「ギャンブリング」「ポーカー」「カードテーブル」などの演出で、他のマジックを前フリとして演じるもよし。
あるいは、「避けられない運命」というテーマの下、メンタルマジックと絡めても面白いかもしれません。