【AP流サンドイッチ！】Prisoners（プリズナーズ）〜デック内で移動して捕まえるカード！〜 [monthly Magic Lesson Shoppers]

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アレックス・パンドレア３部作の１つ。クールなサンドイッチ！

驚くべきクリーンさ。２枚のジョーカーがカードを追い詰める！

「ブリックパスDVD」「ダイアゴナル・パーム・パスDVD」などで名を馳せたアレックス・パンドレア。
その彼が、今回、ブルークラウン社より３つの作品を３部作としてリリースしました。

・Prisoners（プリズナーズ）：驚くべきサンドイッチ現象。（本作）
・Arson（アーソン）：怒濤の展開を持つ異色のカード当て。
・TR.AP（トラップ）：シンプルで不思議、破いたカードの復活。

今作「Prisoners（プリズナーズ）」は、数あるサンドイッチ・エフェクトのなかでも特筆すべき作品。

観客に、デックから自由に１枚のカードを選び、覚えてもらいます。
そのカードを、マジシャンは、間違いなくデックの中央に差し込み、揃えてしまいます。
デックを裏向きにスプレッドして、よけておいた２枚のジョーカーを、表向きに差し込むのですが、
１枚はトップに近い位置、もう１枚はボトムに近い位置に入れます。
スプレッドを閉じて、マジシャンはおまじないをかけます。
そのまま、再びデックを広げてみると…なんと、両端付近にあったジョーカーは、デックの中央に移動しています！
そして、たった１枚のカードを挟んで、捕まえているのです。
それを示すと、観客が選んだカードです。

なお、上記表題作に加え、ボーナストリックとして「Slider（スライダー）」という作品も収録。
現象を文章で表すと「Prisoners（プリズナーズ）」と似たようなサンドイッチ現象とも言えますが…
実際には全く異なるタイプの作品となっており、見た目も相当異なっています。
詳しくは後述します。

この手の現象は、テクニックを駆使して行うケースも多々ありますが、これは違います。
まず、レギュラーデックではなく、ちょっとしたギミックを使用します。
ただし、自分ですぐに作れるギミックです。
解説では、その作り方から説明しています。

最大の特長は、怪しげな動作が一切ない、ということでしょう。
何もしていないのに、不思議なことが起こる…マジックの１つの理想型が、ここにあります。
もちろん、裏側でもの凄いことをしながら、何もしていないように見せるのは大変です。
今回の場合は、本当に「（ほとんど）何もしていない」のに、現象が起こるのです。
観客からすると、テクニックの気配などが感じられず、単に不思議なことが起こるわけで…
タネを推理しようにも何の手がかりもなく、狐につままれたような感じを体感する事になります。
一方、演じる側からすると、これほど楽な話はありません。
楽で効果が高いのが、一番だと思いませんか？

え？それじゃ、やりがいがない？
そうおっしゃる「テクニック派」の方には、ボーナストリック「Slider（スライダー）」のほうをオススメします。
こちらは、レギュラーデックで演じられるサンドイッチトリック。
極めてビジュアルです。

観客が選んだカードを、デックのトップに置いた２枚のカードが探しに行きます。
１枚ずつ順に消え、広げてみると、中央付近に、間にある程度の枚数を挟み込んだ状態で現れます。
２枚をアウトジョグして、「間に何枚くらいありますかね？」などと言っているそばから、
みるみる両者の間隔が近づいていって、１枚に絞られてしまうのです。
もちろん、それが観客の選んだカードです。

こちらは、相当にテクニカルで、難しいマジックですので、興味のある方は是非挑戦してください。

テクニカルとノン・テクニカル、２つの手順が入っていますので、どなたでもお楽しみいただけます。
表題作「Prisoners（プリゾナーズ）」のほうは、かなりの初心者に近い方でも、少し練習すればできる程度。
テーブル上に、きれいにデックをスプレッドできる技術が必要ですが、ほぼ、それだけです。

パンドレア氏は、音楽をかけながら無言で演じるアクトとしても使っているようです。
セリフがなくても現象が十分伝わる分かりやすさ。
シャレたクロースアップショーの一コマとなりそうです。