【穴と白の女王！？】インパルス（Impulse by Peter Duffie）〜ホワイトホール・トランスポジション！〜 [monthly Magic Lesson Shoppers]

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奇抜な着想で不可能設定を高めた、交換現象の手順！

ホワイト・インパルス！？アナーキーなモンテ！

これは、鬼才、ピーター・ダフィーによる天才的な作品です。
氏のポイントブランクアセンブリーというトリックをご紹介したときに、
この「インパルス」もちょっと登場しました。
まあ、これが単に、作品集「デュエット」に併せて収録されていた２作品だった、というだけの話ですが。
まさに伝説のデュオ、黄金のカップリングナンバーです。

「ポイントブランクアセンブリー」も大変な傑作ですが、個人的にはより奇想色の強い「インパルス」の方に惹かれます。
交換現象をユニークでビジュアルな形に仕上げた異色作を、ぜひお楽しみください。

解説書を日本語版に翻訳しております。（mML特別サービス）

マジシャンは小型の封筒を取り出します。
中には、１枚のレギュラーカード(仮にスペードの５）と、３枚のブランクカードが入っています。
スペードの５を封筒の下に置き、３枚のブランクにおまじないをかけると、
いつの間にか３枚のうちの１枚がスペードの５になっています。
封筒の下はブランクで、なぜか入れ替わっているのです。

この現象が何度か繰り返された後、最後のクライマックス。
「話を分かりやすくするために、カードに絶対に判別できる印を付けよう」と提案し、
マジシャンは、中央に2.5センチ径ほどの大きな丸い穴があいたスペードの５を取り出してきて、
「こちらのスペードの５でやってみよう」と言うのです。
封筒の下に、間違いなく穴あきのカードを置いたはずなのに、そのカードは手の中に現れ、
封筒の下は穴のないブランクカードに変わっています！

交換現象に形状の変化を持ち込むことで、より不可能性を強化。
まるで自然に穴がふさがってしまうかのような奇妙な不思議感を作り出しています。

今回ご紹介するのは、アルド・コロンビーニ氏が商品化したバージョンで。
商品化にあたり、より手軽に演じられるように多少の手を加えています。
原案では、カードをデックから選んでもらう操作が入っていましたが、
単独のパケットとして簡略化。
また、原案は、演技中に観客のカードを破いて穴をあける、と言うものでした。
実はこの原案の方が演技的なインパクトはより強烈だ思いますが、
毎回カードを消耗する上に、とにかく演じづらい。
さすがにこれはやりすぎだろう、ということで、おとなしく演じやすい形に修正しています。

個人的意見では、カードを取り替えるところを、ヒンバーワレットを使ってすりかえるなど、
カードに穴が開いてしまう「変化」の形にもっていくと、またちょっと趣が変わるような気がします。
皆様も、ぜひいろいろとご研究ください。